GUIDE

歯ぎしり・食いしばり

無意識の習癖から歯と顎を守る専門的な治療

学芸大学リアン歯科では、歯ぎしりや食いしばりでお悩みの患者さまに対して、症状の軽減と歯の保護を目的とした治療を行っております。歯ぎしりや食いしばりは多くの方が無意識のうちに行っている習癖で、放置すると歯の摩耗、顎関節症、頭痛や肩こりなど様々な問題を引き起こす可能性があります。
特に子育て世代の患者さまでは、育児や仕事のストレス、睡眠不足などが要因となって症状が悪化することも少なくありません。当院では患者さま一人ひとりの生活環境やストレス要因を考慮し、現実的で継続可能な治療方法をご提案いたします。早期の対処により、将来的な口腔機能の悪化を予防し、快適な生活を維持できるよう支援いたします。

歯ぎしり・食いしばりの種類と特徴

睡眠時ブラキシズム(歯ぎしり)

睡眠中に無意識に行う歯ぎしりで、上下の歯を擦り合わせることで特有の音を発します。本人は気づいていないことが多く、家族からの指摘で初めて自覚する場合が多いです。睡眠の浅い時期に起こりやすく、ストレスや疲労、飲酒などが誘因となることがあります。
音だけでなく、歯の摩耗や欠け、詰め物の脱離、朝起きた時の顎の疲労感や痛みなどの症状を伴うことがあります。長期間続くと歯が短くなったり、知覚過敏を引き起こしたりする可能性があります。

覚醒時ブラキシズム(食いしばり)

起きている間に行う無意識の食いしばりや歯の接触癖です。集中している時、ストレスを感じている時、重い物を持つ時などに起こりやすく、日中の様々な場面で発生します。音を伴わないため周囲に気づかれにくく、本人も無自覚であることが多いです。
デスクワークやスマートフォンの使用時など、同じ姿勢を長時間続ける現代のライフスタイルでは、特に起こりやすい傾向があります。育児中の方では、お子さまの夜泣きへの対応や日常的な緊張状態が要因となることもあります。

混合型

睡眠時と覚醒時の両方でブラキシズムが起こるタイプで、より多くの症状を呈することがあります。歯への負担が大きく、顎関節や咀嚼筋への影響も強く現れる傾向があります。

歯ぎしり・食いしばりが引き起こす問題

歯への直接的な影響

強い力で歯を擦り合わせたり噛み締めたりすることで、歯の表面が摩耗し、徐々に短くなっていきます。特にエナメル質が薄くなると象牙質が露出し、知覚過敏を引き起こします。また、歯に亀裂が入ったり、詰め物や被せ物が外れたり破損したりすることもあります。
前歯の先端が平らになったり、犬歯の先端が摩耗したりすることで、本来の歯の形態が失われ、機能的にも審美的にも問題となることがあります。

歯周組織への影響(咬合性外傷)

過度の咬合力により、歯を支える歯周組織にも負担がかかります。このように、歯ぎしりや食いしばりによって歯や歯周組織に過剰な力が加わることで生じる障害を「咬合性外傷」と呼びます。歯の動揺が増加したり、歯周病の進行が早まったりする可能性があります。また、歯根破折のリスクも高まり、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。
歯肉退縮も起こりやすく、歯の根元が露出することで知覚過敏や虫歯のリスクが増加します。咬合性外傷は、歯周病と合併することで更に深刻な状態を招くことがあるため、早期の発見と対処が重要です。

顎関節と筋肉への影響

持続的な筋肉の緊張により、顎関節症を引き起こすことがあります。顎関節の痛み、開口制限、関節音などの症状が現れ、食事や会話に支障をきたすことがあります。また、咀嚼筋の疲労や痛み、頭痛、肩こり、首の痛みなど、口腔外の症状も現れることがあります。
朝起きた時に顎が疲れている、口が開けにくいなどの症状は、睡眠時のブラキシズムの典型的な症状です。

当院での診断と治療

詳細な診査診断

歯ぎしりや食いしばりの診断には、詳細な問診と口腔内検査が重要です。歯の摩耗パターンの観察、咀嚼筋の触診、顎関節の動きの確認などを行い、ブラキシズムの有無やその程度を評価いたします。また、生活習慣やストレス要因についてもお聞きし、総合的な治療計画を立てます。
必要に応じて、家族からの聞き取りや睡眠時の状況についても詳しく確認し、より正確な診断を行います。

ナイトガードによる歯の保護

最も一般的で効果的な治療法が、就寝時に装着するナイトガード(マウスピース)です。患者さまのお口に合わせて精密に製作されたナイトガードを装着することで、歯同士の直接的な接触を防ぎ、歯の摩耗や破損から保護します。
また、顎関節への負担も軽減され、朝の顎の痛みや疲労感の改善も期待できます。最初は違和感を感じる方もいらっしゃいますが、多くの患者さまは数日から一週間程度で慣れていただけます。

生活指導と習癖の改善

日中の食いしばりに対しては、意識的な改善が重要になります。正しい安静時の舌や顎の位置をお教えし、日常的に意識していただくことで症状の軽減を図ります。また、ストレス管理や睡眠の質の改善についてもアドバイスいたします。
デスクワーク中の姿勢や、スマートフォン使用時の姿勢なども食いしばりに関連するため、生活習慣全体を見直すことが重要です。

ナイトガードの種類と特徴

ハードタイプ

硬いアクリル樹脂で製作されるナイトガードで、耐久性に優れており、強い歯ぎしりにも対応できます。咬合調整が行いやすく、長期間の使用に適しています。ただし、装着時の違和感が大きく、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
重度のブラキシズムや歯の摩耗が進行している患者さまに適しています。

ソフトタイプ

柔らかい材料で製作されるナイトガードで、装着感が良く、初めての方でも比較的慣れやすいという特徴があります。ただし、耐久性がハードタイプより劣り、穴が開いたり破れたりすることがあります。
軽度から中等度のブラキシズムの方や、ハードタイプに慣れない方に適しています。

デュアルラミネートタイプ

内側が柔らかく外側が硬い二層構造のナイトガードで、装着感と耐久性を両立させた設計です。多くの患者さまに適応でき、バランスの取れた性能を発揮します。

治療期間と経過観察

初期の適応期間

ナイトガードの装着を開始した最初の数週間は、違和感や唾液の増加、朝の顎の違和感などが生じることがあります。これらの症状は多くの場合、時間の経過とともに改善されます。装着が困難な場合は、調整を行い、患者さまが快適に使用できるよう配慮いたします。
症状の変化や装着状況について定期的に確認し、必要に応じてナイトガードの調整や生活指導の見直しを行います。

長期的な管理

ナイトガードは消耗品であり、定期的な交換が必要です。使用状況や摩耗の程度により交換時期は異なりますが、通常は数年に一度の交換をおすすめしております。また、定期検診の際にナイトガードの状態をチェックし、必要な調整を行います。
歯並びや咬み合わせの変化により、ナイトガードが合わなくなることもあるため、継続的な観察が重要です。

日常生活での注意点と対策

ストレス管理の重要性

ブラキシズムはストレスと密接な関係があるため、ストレス管理が症状の軽減に重要な役割を果たします。適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーション技法の習得などにより、日常的なストレスレベルを下げることが効果的です。
育児中の患者さまでは、完璧を求めすぎず、適度に休息を取ることの大切さもお伝えしております。

睡眠環境の改善

質の良い睡眠はブラキシズムの軽減に重要です。規則正しい睡眠時間の確保、寝室の温度や湿度の調整、就寝前のリラックスタイムの設定などにより、睡眠の質を向上させることができます。
カフェインやアルコールの摂取タイミング、就寝前のスマートフォン使用についてもアドバイスいたします。

日中の意識的な改善

覚醒時の食いしばりに対しては、意識的な改善が最も効果的です。「歯を離す」「舌を上顎につける」「肩の力を抜く」といったリマインダーを日常的に実践していただくことで、無意識の食いしばりを減らすことができます。
職場や家庭でのポストイットなどによる視覚的なリマインダーの活用も効果的です。

子育て世代への特別な配慮

子育て中の患者さまでは、お子さまの夜泣きによる睡眠不足や育児ストレスがブラキシズムの要因となることが多いです。当院では、このような特殊な状況を理解し、現実的で継続可能な治療方法をご提案いたします。
また、キッズスペースを完備しているため、お子さま連れでも安心して治療や定期チェックを受けていただけます。土曜日診療も行っているため、平日お忙しい方でも無理なく通院していただけます。

他の治療法との組み合わせ

咬合調整

咬み合わせの不正がブラキシズムの要因となっている場合は、適切な咬合調整により症状の改善を図ることがあります。ただし、咬合調整は慎重に行う必要があり、詳細な検査と診断に基づいて実施いたします。
咬み合わせの問題が明らかな場合は、矯正治療の検討をご提案する場合もあります。

ボツリヌス療法

重度のブラキシズムで他の治療法では改善が困難な場合、咀嚼筋へのボツリヌス注射による治療も選択肢の一つです。ただし、当院では対応しておりませんので、必要に応じて専門機関をご紹介いたします。

予防的な観点

ブラキシズムは早期発見・早期治療が重要です。定期検診の際に歯の摩耗パターンや咀嚼筋の状態をチェックし、症状が軽いうちから適切な対策を講じることで、より深刻な問題の発生を予防できます。
また、ご家族からの観察情報も重要な診断材料となるため、睡眠時の歯ぎしりの音や朝の症状について気になることがございましたら、お気軽にお聞かせください。
歯ぎしりや食いしばりでお悩みの方、朝起きた時に顎が疲れている方、歯の摩耗が気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。学芸大学リアン歯科では、患者さまの症状や生活環境に応じた最適な治療方法をご提案し、快適な生活の維持をサポートいたします。

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